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（1998.4.4 VIDEO／5.16 記）
予想外の楽しさ。野球を知らなくても楽しめる映画はあるのだ。1940年代の球場に潜り込み、私も一緒に野球をしている気分でダイエット。

女性版「フィールド・オブ・ドリームス」なんて大嘘（あちこちにこう書いてあるのが不思議）。比べ物にならない楽しさだ。女性だけの野球チームなんてさぞかし陰湿なトラブル続出の展開だろうと思ったらとんでもない。彼女たちは野球が好きでいつでも前向き。これが気持いい。

戦争で男たちがいなくなり窮余の策で作られた女性リーグ。全米から集められた女たちは個性豊かな選手ばかり。最初は「これでまとまるんかいな」と心配になる。監督はアル中同然のトム・ハンクスだし。そこでいい味を出すのがジーナ・デイビス。頼りになるチームのお母さんという役どころで、キャッチャーだし4番だし、去年のヤクルトの古田クンみたい。

マドンナはじめ、チームのメンバーそれぞれのキャラクターが個性的でよく描き分けられている。文句は言うんだけど開けっ広げでみんな裏がない。ひらひらスカートのユニフォームを着ろと言われても動じない。むしろそれを楽しんでしまう。肝心の野球のシーンも十分おもしろい。

音楽もグッド。エンドクレジットで私の知っている人をチェックした限りでも、マドンナ、マンハッタン・トランスファ、アート・ガーファンクル、ジェームス・テイラー、ビリー・ジョエル、キャロル・キング・・・。豪華な顔ぶれだ。

ただ一つ、けっこう根性ある彼女たちに「プリティ・・」という形容詞がどうにもしっくり来ない。その点、英語のタイトルは実にストレートに内容を表わしていて納得できる。確かに、これを日本語でうまく表わすとなると難しそうだ。

1992年　ペニー・マーシャル製作・監督